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【第1回】Google×Shopify提携考察!Shop PayとGoogleの連携が意味するものとは?

5月19日に行われたキーノート「Google I/O 21’」内でGoogleShopifyの提携が発表されました。

GoogleとShopifyの統合がいつどのように行われるかについての詳細は明らかにしませんでしたが、gaien mediaでは、発表された連携内容について様々な考察を行っています。

第1回の今回は、Google I/O 21’から遅れること数日、527日にShopifyより発表されたShop PayGoogleで利用可能になることが意味することについて考察してみました。

GoogleがShopifyと決済統合を行う背景にあるものとは?

Shop Pay(ショップペイ)がGoogle上で利用可能になるとは、具体的にはGoogleの検索結果などからユーザーが直接商品を購入できる「Buy on Google」を有効にしているShopifyマーチャントに対しチェックアウトの選択肢としてShop Payが提供されるというものです。

この接続はShopifyやShopifyを利用するマーチャントにとって大きなメリットがあることはすぐに理解できるでしょう。

その一方でGoogleにはすでに自社のチェックアウトサービス「Google Pay」があります。そのため、Google側にとって決済ビジネスの土壌の一部をわざわざ競合に分け与えるといったデメリットが大きいように感じるのではないでしょうか?

しかし、これを「Googleのサービスが広告の収益によって支えられている」という視点で考えてみるとこの接続がGoogleにとってもメリットがあるという観点にたどり着くと考えられます。

GoogleがShop Payとの接続で得たいもの

まずShop Payとの連携がGoogleにとってどのようなメリットがあるのか考察していくにあたり、以下の2つのポイントが重要となってきます。

  • Shop Payが他のチェックアウトシステムよりも高速(約3分の1の時間)、かつコンバージョン率が高い(1.72倍)である
  • Google経由でShop Payを使用したユーザーのクレジット情報や住所、購買データがGoogleとShopifyでデータが共有される 
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    近年、Google自体をECサイトや商品を比較するための「ショッピングツール」として利用する消費者が増えています。現にGoogleのプロパティ全体では1日あたり約10億回のショッピングセッションがあると言われています。

    これらの大量のショッピングセッションにGoogle経由のShop Payの利用でより高いコンバージョンが得られること利点とすれば、Googleショッピング広告を開始、あるいは拡大をするマーチャントの増加が見込めるメリットがあり、単純にGoogleの広告収益が増加が見込めます。

    しかもGoogleでは、2020年に行った「Buy on Googleの無償化*1」で、すでに多くのマーチャントがGoogleショッピング広告へと参入したことで商品データが大幅に増加(昨年比72%増加)しています。
    *1 Buy on Googleを通じたトランザクションに対する決済手数料が無料化された

    この大量の商品データとShopifyと共有される購買データが紐づくことで、膨大なユーザーの購買データの蓄積が可能となります。これはGoogleのあらゆるプロパティにおける広告配信のためのデータ収集にも大きなメリットがあります。

    事実、Googleはこの度、Shop Pay以外にもWooCommerce(ウーコマース)GoDaddy(ゴーダディ)Squere(スクエア)などのECサービスや決済サービスとの連携を発表しています。これらの企業との連携は、利便性はもちろんのこと、ユーザーの購買データの取得と蓄積にかなり前のめりの姿勢を示していることは明確でしょう。

    つまり、Googleは将来的にこの接続で分け与えた決済ビジネスのマージンをGoogleのメイン事業の一つであるWeb広告の収益が上回ることを見据えている予測が立てられます。結論からすると、これは「あくまでもGoogleはオンラインサービスの会社であり収益モデルの軸は広告である」ということの明示だと言えるでしょう。

    Shopifyとそのマーチャントにも大きなメリットがある

    ShopifyやShopifyのマーチャントにとっても今回のGoogleや今年初めに発表のあったFacebookInstagram などShop Payに接続するプラットフォームの拡大は利益拡大に繋がる構造が整います。 

    Shopifyのマーチャントにとって接続するプラットフォームが増えることはシンプルに自社の商品を売り込む機会が増えます。Shopifyにとってもシステムがより便利になることでShopifyECストアを展開するマーチャントが増えるため大きな利益に繋がります。

    ちなみにこの統合は2021年の後半に米国で開始される予定です。ただし、Buy on Googleはまだ日本で利用のできない機能ですので私たちがGoogleのコンテンツShop Payを利用できるようになるのはもう少し先となりそうです。近い将来、日本を含む各国で展開されることに期待するとしましょう。

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    BUNTA SATO

    好きな花言葉はパセリの「お祭り気分」ライターのBUNTAと申します。行動心理を得意ジャンルとする平成生まれの自称元ニューヨーカーです。ちなみに嫌いな食べ物はパセリです。